かつて、布団をはじめとする寝装具は
家族代々に受け継がれるものとされてきた。
時代は経済の成長とともに
効率化と大量生産の社会へ。
世の中にモノが溢れるようになると、
手入れしては使い続けることが
当たり前だった寝装具は
使っては捨てる消耗品へと変わっていった。
押し入れに眠ったまま放置されたり、
処理が大変な粗大ゴミになったり。
どれだけ機能や素材が進化しようと、
地球環境をより良くするためのアクションや
ひとつのモノを長く使い続ける考えが浸透しても、
長く連れ添う生活用品としての姿は見る影もない。
睡眠と目覚めをより良いものにするだけでなく、
現代における寝装具のあり方を見つめ直し、
形骸化されたその価値を再構築していく。